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入居を高齢者に限定した住まいとして全国で急増している高齢者専用賃貸住宅(高専賃)をめぐり、介護や食事などのサービスを提供しながら、老人福祉法に基づく有料老人ホームとしての届け出を怠っているとみられる住宅が全国で約4400戸にのぼることが読売新聞の調査でわかった。無届けの場合は都道府県の行政指導や立ち入り調査の対象外になってしまうため、ずさんな運営が懸念されており、厚生労働省は高専賃の運営実態について初の全国調査に乗り出した。 高専賃は都道府県への登録制だが、食事や介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを提供する場合は有料老人ホームに該当。面積などの条件を満たした「適合高専賃」を除き、同ホームとして都道府県に届け出なければならない。 調査は、国土交通省所管の高齢者住宅財団(東京)がホームページで公表する7月現在の全国の高専賃(891物件2万1655戸)のうち、データに不備のない物件を対象に提供サービスや設備内容を確認した。
食事や介護などのサービスを提供しているのは480件計1万2686戸。うち、有料老人ホームとして届け出ていない物件は168件計4408戸で、35%が「無届け」だった。都道府県別では、大阪(642戸)や北海道(541戸)などが多かった。 高専賃については、介護保険財政の悪化で、自治体が介護付き有料老人ホームの新設を認めなくなったため、物件数は昨年から倍増している。 高橋紘士・立教大教授(地域ケア論)の話「有料老人ホームの届け出は事業者に課せられた社会的責任で、これほど多数の無届け物件があることに驚く。高齢者が安心して暮らせる住まいの整備はますます重要であり、国や都道府県は入居者保護がおろそかにならないよう配慮すべきだ」 ◆解説◆ 2005年に制度化された高専賃の運営主体は、不動産業者や介護事業者など多岐にわたっている。有料老人ホームのような設置基準はなく、施設の質も玉石混淆(こんこう)。入居時に1000万円以上の「前払い家賃」を徴収する事業者もあるが、あくまで登録制度のため、所管の国交省は「質を担保すべき立場にはない。質の問題は福祉施策で」という姿勢だ。 高専賃など高齢者住宅の多様化を受け、厚労省は2年前、有料老人ホームの入所者数要件を「10人以上入所」から「1人以上」にするなど、同ホームの定義を見直した。範囲を拡大することで、小規模な居住系施設であっても同ホームとしての届け出が義務付けられたが、こうした方針が事業者や都道府県に周知されているとは言い難い。 昨年2月には千葉県の無届け介護施設で入居者への虐待が発覚。同省は都道府県に対し、届け出の促進を求める通知を出したが、都道府県も人員不足などで十分な目配りができないのが実情だ。高齢者向け住宅の運営実態を把握するとともに、事業者の自覚を促す施策も急務となっている。(生活情報部 長谷川敏子、中館聡子) http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080730-OYO1T00187.htm?from=top (2008年7月30日 読売新聞) |