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介護人材の確保 団塊世代と若者で支えよう(7/25up)

 

 介護の現場が大きく揺らいでいる。働く人の低賃金や離職率の高さなどによって人手不足が常態化し、介護職場から悲鳴が上がっているのだ。

 

 介護の危機的な状況を打開するために厚生労働省に設置された有識者による「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」が18日に中間報告をまとめた。現状を示したうえで、いくつかの提言を行っている。

 

 介護事業所の調査によれば、訪問介護で75%、施設介護で56%の事業所で人手不足になっている。若年人口の減少や厳しい労働条件などが背景にある。

 

 若い人の介護離れも深刻だ。短大や専門学校で定員割れが起きている。卒業しても介護分野に就職する率も低下傾向にある。同研究会の聞き取り調査では「学生が介護分野を志望しても、高校の先生や親が反対する」という声があった。普通高校の進路指導の先生の3割強が「迷っている生徒にあえて(介護の仕事を)勧めない」という。こういう現実に正面から向かい合わなければ、今起きている事態に対処はできない。

 

 

 一方、離職率も全産業平均と比べて高い。離職者のうち勤続1年以内で40%、3年以内で75%が退職しているというから驚きだ。「待遇(賃金、労働時間)に不満」「結婚や出産など個人的な事情」「経営理念や運営への不満」が主な離職理由だ。勤続年数が違うので単純な比較は難しいが、一般の常用労働の平均賃金と比べると、男性介護者で12万円、女性で3万円低い。

 

 問題が山積する介護労働の現場を、どのように改善していけばいいのか。同研究会は(1)人材の量と質を確保するために適切な介護報酬の改定(2)賃金制度、人事評価制度、夜間の人員配置など、雇用管理面での改善策(3)介護福祉士など資格を持っていながら介護分野で働いていない人の復帰支援(4)介護労働者の社会的評価を上げる取り組み--などを提言している。

 

 どれも簡単ではないが、すぐに取り組まなければならない。介護保険制度が人材不足によって崩壊する、そんなことがあってはならないからだ。

 

 そこで、人手不足対策として、団塊世代の力を借りることを提案したい。定年でリタイアした人に、第二の人生を介護の現場で働いてもらうのだ。社会人としての経験や知識を若い人に伝え、自分の親世代の介護を共に支えてほしい。その際、働いた期間に応じてポイントカードを発行するのも一案だ。例えば、3年間働くと自分や家族が介護を必要としたとき優先的に施設が利用でき、介護サービスが受けられるようにする。介護分野に団塊世代が参入する動機付けとなる方策がほしい。これを若い人だけに介護を頼らず、世代を超えて支え合う仕組みを作るきっかけにもしたい。

 

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080721ddm005070006000c.html

(2008年7月21日 毎日新聞)

 
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